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オーロラの原理
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Peculiar and puzzling aurora

ESA(欧州宇宙機関)の四機のクラスター宇宙探査機の観測結果は、特異かつ不思議な動きを見せる種類のオーロラの原理の解明に、飛躍的な前進をもたらしてくれました。

「昼側のプロトンオーロラスポット」と呼ばれる地球の大気圏内に見られる明るいスポットであるこれらのオーロラは、地球の磁界に裂け目が生じた時に出現します。それは太陽から宇宙に向かって吹きつける素粒子が、大気中の分子と衝突することによって発生します。これは2つの要素が確実かつ直接的に相互作用しあう事によって起こる現象です。

地球の磁界は、太陽風と呼ばれる太陽から常時放出される素粒子の流れから地球を守る防御壁のような役目をしています。

水素原子の集まりである太陽風は陽子と電子に分かれます。電子が大気中へ侵入し、大気と衝突すると空気中の原子を刺激チャージします。この刺激された原子がエネルギーを放出する時、光を発生させます。これが我々が目にすることのできる揺らめく光のカーテン、オーロラボレアリス(南半球ではオーロラオウストレイリス)と呼ばれるものです。昼側のプロトンオーロラスポットは陽子が大気中の原子から電子を「盗む」ことによって発生します。

昨年の3月18日、非常に強いエネルギーをもった太陽風が地球をとりまく大気圏に衝突し、明るいスポットを発生させたのがNASAのイメージ宇宙探査機によって観測されました。ちょうどその時、上空を通過中のクラスター宇宙探査機がその強い太陽風が吹き付けたエリアを通り抜けました。その後のクラスターの詳しい分析の結果、その地域は磁力の再結合として知られる乱流が発生したことが解明されています。このような現象は普通、侵入を許さない磁界が割れ、新しい安定した形を見つけなければならない時に起こりえるものです。この界が修復されるまで、太陽風は隙間を通り抜け地球の大気圏へ入りこみ昼側のプロトンオーロラを作り出すのです。

ESA、欧州宇宙機関のプロジェクト物理科学者であるフィリップ・エスコウベット氏は、「クラスターの観測結果により、我々科学者は初めて昼側のプロトンオーロラスポットと磁力の再結合の事実に迫り、解明への道をたどることができた」と評しています。

アメリカ合衆国、バークレーのカリフォルニア大学の研究チームのトップに立つタイ・ファン氏は、地球の防御壁について新たな解明方法を研究中です。氏は「このクラスターによる分析結果は我々に新しい研究指針を与えてくれました。我々は今から昼側のプロトンオーロラを観測し続け、どこでいかなる形でこの磁界上の裂け目が作られるのか、その裂け目はどの位の長さ持続するのかを研究していくでしょう。そしてそれは地球の地磁気圏に入ってくる太陽風の侵入経路の解明に大きな飛躍をみせるはずです。」とコメントしています。

太陽がどのように地球に影響を及ぼすかというテーマは、常に科学者の研究の焦点となってきました。一番良く知られているのは気候です。また地球上に住む我々に、すぐに関わる危険な事とは言えませんが、太陽の強力な熱風によってダメージを受けるか破壊される可能性のある衛星についても研究を続けることが必要とされます。

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